1-1 Procladius group

return to Tanypodinae

Dorsomental teeth with several teeth. Body segment with fringe of swim seta.

Tanypus   Procladius  Djalmabatista    Psectrotanypus   Fittkawimyia   Apsectrotanypus   Macropelopia    Brundiniella

舌板
側舌
下咽頭櫛歯 下唇板歯 触角比 尾剛毛台
高さ/径 ・尾剛毛
その他の特徴
Tanypus
  punctipennis
タイプ
5歯が掌状
長い30数本
多数の長い糸状 中央歯と
7対の側歯
5.3〜5.5 3〜4 ・ 10〜20数本 肛門鰓は3対
Tanypus
  kraatzi
 タイプ
5歯、中央が最も長い
2〜8裂
小さい数本 中央歯と
7対の側歯
5.3〜5.5 4  ・ 14〜15本 肛門鰓は3対
Procladius 5歯がV字型
外側に数歯・内側に2〜3歯
約10本 6〜9歯 4.5〜5.5 2〜4 ・ 20本前後
Djalmabatista 5歯がV字型
外側に3歯・内側に1〜2歯
10本 5+1歯 3.5 3 ・ 14本 付属枝は触角の先端を超える
舌板の幅は広く、短い
Apsectrotanypus 5歯がV字型
2岐
10数本 5歯 6〜7.5 4〜4 ・10〜14本 大顎の基歯は小さい
Fittkauimyia 5歯がV字型
3岐
20数本 中央歯と
5対の側歯
4.5 4 ・ 8本 舌板の第2歯は内側に反る
大顎基歯の下部に多数の小鋸歯
Macropelopia 5歯がV字型
2〜3岐
20数本 5〜8歯 7〜9 3〜4 ・ 13〜15本 生体は赤橙色
大顎基歯の下部に20数本の小鋸歯
Brundiniella 5歯がV字型
2岐
10余本 5+1歯 5〜6 6 ・ 10本 肛門鰓は細く、短い円錐形の2対
Psectrotanypus 等長の4歯
8裂
22〜23本 7歯 6.5 3 ・ 24本 大顎基歯の下部に数本の小鋸歯

             ※ 5本の歯と小さい1本


Tanypus

Tanypus には下図に見られるように舌板が細長く、掌状に拡がり、側舌が非常に長い、細い多数の櫛の歯状の種(Tanypus punctipennis type)と、
舌板が太く短く、側舌が2叉または鋸歯状のもの(T.kraatzi type) の2系統があると考えられる。 頭部は丸く、頭比はほぼ1.0.
肛門鰓が3対あるのもこの属の特徴である。尾剛毛は14〜20本、台の高さは径の4倍前後。
前者は印旛沼、霞ヶ浦など富栄養化の進んだ湖沼、後者は芦田川、大和川など汚濁の進んだ河川の泥底に生息する。
体長は8〜10mm,半透明で、体側に多数の遊泳毛を有する。

 舌板5歯が掌状に拡がる。長い櫛の歯状の
 側舌はこの種の特徴(punctipennis type)
 Tanypus の中にはこのような舌板を持つものが
 あり側舌も鋸歯状、2叉など、種によって異なる
(ktaatzi type) 
 触角は4節、基節は太く、触角比は5.3〜5.8
糸状に見えるのは下咽頭櫛歯  下唇板歯 :7対の歯、種によって数,形態が異なる。
 M付属器は観察しにくい
 卵形をした大顎の先端歯は小さく、2側歯
 はごく小さい
 
体側の遊泳毛 3対の肛門鰓をもつのが特徴
Tanypus に属する2つのタイプの最も大き
 な違いは舌板の歯および側舌、下咽頭櫛
 歯の形態である。 下唇板歯も浅いU字型
 に配列されるpunctipennis 型と山形の
 kraatzi型がある。
・大顎は卵形で歯の部分は短い。基歯、側
 歯ともに小さい。
・尾剛毛台の高さは径の3〜4倍、尾剛毛
 は10数本〜20数本、種により異なる。
・肛門鰓が3対はこの属の特徴。

ページの先頭に戻る


Procladius

体長は5〜7mm。淡褐色で半透明。各体節の側面には遊泳毛がある。湖沼、河川の砂礫底に生息する。日本各地に分布。

 舌板の歯は5本、V字形に配列。側舌は外側に数歯、
 内側に2〜3本の鋸歯。数は種によって異なる
 下唇板歯は6〜7本、中には9本を有するものもある。
 偽歯舌の小粒の列は不規則
   体側には多数の細い遊泳毛がある
1:触角は4節、基節は太く、触角比は4.5〜5.5
2:舌板:5歯が深いV字型に配列。側舌は外側に
  数歯内側に2〜3歯。下咽頭櫛歯は約10歯。
3:大顎の基歯は大きく、側歯は小さい。大顎は
  先端でわずかに曲がる。
4:上唇
5:小顎
6:下唇板
7:尾剛毛台の高さは径の2〜4倍。尾剛毛は20本
  前後
8:肛門鰓は短い円錐形の2対。
9:後擬脚の鈎爪
10:前擬脚の鈎爪


  

ページの先頭に戻る

Djalmabatista

体長は3mm前後。淡褐色、まだら、半透明。体側に多数の遊泳毛をもつ。石垣島の名蔵ダムに流入する小河川で採取。本種の舌板は5歯であるが、4歯のものもある。

中央の歯が特に小さい、歯の部分が黒褐色。
側舌は外側に3、内側に1〜2の鋸歯を持つ。
下咽頭櫛歯は10本
下唇板歯は大きな5本と、小さない1本。M付属器は
ほぼ正三角形、偽歯舌の粒状の列は不規則
先端の部分が黒褐色で、緩やかに曲がる。
基歯は大きく、1本の側歯は大きい。触角は
4節、触角比は3.5。頭長の1/3.第2節先
端の付属枝は第2〜4節の2倍。
1:触角は4節、頭長の1/3,付属枝は第
  2〜4節の2倍。
2:舌板
3:大顎
4:小顎鬚のb−毛は2節
5:下唇板
6:後擬脚の鈎爪
7:肛門鰓
8:前擬脚の鈎爪
9:尾剛毛は14本、台の高さは径の3倍

ページの先頭に戻る


Psectrotanypus

体長9〜10mm。淡橙色。頭比(幅/長さ)=0.85〜0.90 。 琵琶湖の泥底、植物残渣などの堆積したところに生息。個体数は少ない。
富栄養化した河川にも見られる。

  ほぼ等大の4歯。舌板の幅は下端まで同じ。
  側舌は8裂の櫛の歯状。
  
 大顎は長く、全体が弓型に曲がる。
 基歯は大きく、数個の小さい鋸歯が
 これに続く
 尾剛毛は24本、長い毛は台の2.5倍。
 台の高さは径の3倍
1:触角は5節、第3〜5節はごく短い。
  触角比は6.5
2:舌板:下咽頭櫛歯は22〜23歯
3:大顎:基歯の下部の縁に数本の鋸歯
4:下唇板歯は7対、偽歯舌の顆粒の列
  は細い
5:小顎鬚
6:体節の遊泳毛
7:前擬脚の鈎爪
8:後擬脚の鈎爪
9:肛門鰓
10:尾剛毛台の高さは径の3倍。尾剛
  毛は24本
 

ページの先頭に戻る


Fittkauimyia

体長は5mm。体節は淡褐色まだら、半透明。各体節に体節の径の1/2ほどの多数の遊泳毛がある。眼点は1対。
支笏湖に流入する美笛川の清冽な早瀬に生息。1個体を採取したのみ。

舌板は5歯、黄褐色。2番目の歯は内側に向かってわず
かに反る。舌板の基部は急に細くなる。
 側舌は3裂。下咽頭櫛歯は20数本、先端から6〜7本
は大きな鋸歯で1列、以降は2列に重なりあった10数
本、順に小さい。                        
 大顎全体が緩やかに曲がる。基歯は小さく、
 歯の下方は内側に沿って10数個の鋸歯が
 2列に並ぶ、側面にも2列の小鋸歯群がある。
 触角は4節。触角比は4.5〜4.7.基節の
 下端から2/3 に ring  organ
1:触角は4節、触角比は4.5〜4.6.
2:舌板
3:大顎
4:下唇板:M付属器は半円形の薄い膜。
  偽歯舌の顆粒の列はない。下唇板歯
  は中央歯と、3側歯および側歯の外側
  に2歯
5:。小顎鬚:b-毛は2節
6:体節の遊泳毛
7:後擬脚の鈎爪
8:前擬脚の鈎爪
9:尾剛毛は8本、台の高さの4倍強。尾剛
  毛台の高さは径の3.5倍。台の内側は
   やや濃い褐色。
10:肛門鰓・後擬脚
 

ページの先頭に戻る


Apsectrotanypus

体長は6〜7mm。淡橙色。腹部体節の側面には遊泳毛がある。眼点は1対、小さい。
河川の堆積した落ち葉の中に生息。各地に分布する。

舌板の5歯は深いV字型に配列、2番目の歯はわずかに
外に向かって反る。最も外側の歯は大きい。下咽頭櫛歯
は10数歯。側舌は内側の短い2叉。
下唇板歯は5本、もっとも外側1歯は小さいことがある。
偽歯舌の粒子は小さい。
1:触角は5節。触角比は6〜7.5。附属枝は
  触角の先端を越える。基節は太い。
2:舌板
3:大顎の先端歯の部分でわずかに湾曲する。
  基歯は小さいが明瞭。側歯は無い。
4:下唇板
5:肛門鰓は円錐形の2対。
6:前擬脚の鈎爪
7:後擬脚の鈎爪
8:尾剛毛台の高さは径の3〜4倍。 尾剛毛は10
 〜14本。
9:小顎鬚の基節のring organは中央やや下部にある

ページの先頭に戻る


Macropelopia

体長9mm前後。深赤橙色。頭部は赤褐色。体側に遊泳毛。眼点は1対。触角は4節、頭長の1/3〜1/4。触角比は7〜9。
水生植物に付着したり、堆積した落葉の中に生息する。尾剛毛台の高さは径の3〜4倍。尾剛毛は13〜15本。肛門鰓は2対、
円錐形。

生体は赤橙色。頭部は赤褐色、体長の1/10. 5歯は深いV字型に配列、両端の歯は特に大きい。
内側の歯はまっすぐか,わずかに外側に反る。
側舌は内側に小さい1,2の歯。
下咽頭櫛歯は細かい20数歯が1列、種によって2重に配列。
大顎は全体が細長く、緩やかに湾曲。
基歯は大きくないが明瞭。側歯は小さい1歯
下唇板歯は5〜8歯。M付属器はほぼ正三角形で、偽歯舌
の列は不規則。

ページの先頭に戻る


Brundiniella       


体長4.5〜5mm。淡黄緑色で半透明。腹部各体節の遊泳毛は7〜8対。眼点は1対。小顎鬚の感覚毛ーbは2節。
高梁川の源流、平瀬、砂礫底で採取。
詳細は不詳。

舌板の外側の2歯は大きい、中の3歯は等長。2番目の
歯は外側に向かって反ることはない。側舌は2叉。下咽
頭櫛歯は10余本,等大。
下唇板歯は5歯と小さい1歯。M附属器は長い三角形で
偽歯舌の粒状の列は荒く、不規則
触角は4節。大顎の1.6倍、触角比は5.5〜6.0.
附属枝は第4節の先端まで。
大顎の側歯はなく、基歯は大きくはないが明瞭。
先端近くで緩やかに曲がる
肛門鰓は2対ともに小さい、尖った円錐形 尾剛毛台の高さは径の6倍。尾剛毛は10本
台の2〜3倍

ページの先頭に戻る

Tanypodinae group 一覧